Entrepreneurship in Educationという授業@オウル大
オウル大学の教育学部にあるinternational master course(英語で行われるコース)は3つあります。
・Education and Globalization 通称:EdGlo (2年修士)←潤子在籍中
・Learning, Education, and Technology 通称:LET (2年修士)
・Intercultural Teacher Education 通称:ITE
(3年学士、2年修士の5年コース、小学校教員の免許が取れる)
LETでは2年次に必修科目として「Entrepreneurship in Education」というクラスがあります。私もelectiveといって自分で選択科目を決めて10単位(2クラス)は取らないといけないこともあって、一番興味のある「Entrepreneurship in Education」を2020春学期にとりました。どんな内容だったのかをご紹介したいと思います。
Entrepreneurship in Education 教育におけるアントレプレナーシップ
期間:2月の毎週木曜日。全4日間。1日3コマずつ。
内容:Day1 導入、MindBusinessというアントレプレナー研究をしている人のレクチャー、ア
ントレプレナーのマインドセットおよびスキルに関して議論、自分の強みピッチ
Day2 MindBusinessイベント参加、BUSINESS ASEMA訪問
Day3 Creativiy, Artificial Inteligenceについてレクチャー、MEGA-TRENDSというカ
ードを使ってディスカッション、ワークショップ
Day4 サイエンスマガジンのプレゼンテーション、評価&フィードバック、振り返り
課題:①初回授業までに、リフレクションペーパーを書く(1500-2500語)
自分の中にあるアントレプレナーを探す。3つほど提示された文献を読んで考える。
②グループでサイエンスマガジン完成させる、授業でプレゼンする(1グループ5人程)
③すべての授業が終わった後、個人でリフレクションペーパーを書く(1500-2500語)
ENTREPRENEURIAL MINDSET AND WORKING LIFE
COMPETENCIES, NETWORKING,CREATIVITY, PRODUCTIZARION, AND SELLING
& BUYINGというポイントで最初のリフレクションペーパー(振り返り)と3点ほど挙
げられた文献等を参考に授業やグループワークを振り返るもの。
感想:最初の課題を取り組んだときに、自分自身がアントレプレナーであることに気づいて、自分自身が持っているスキルや特性に目を向けた。
普段、EdGloという同じコースのメンバーで一緒に同じ授業を受けていたのがほとんどだったので、他のコースのメンバーとの共同作業やワークはとても刺激的でした。2年目は授業も少なくなるので、フィンランド人の子と一緒に受けられる授業に1,2個参加してみたいなと思った(基本フィンランド語なのでITEの授業の中で選ぶ予定)。
アントレプレナーシップ教育について着目し、主に小中学生の活動を追いかけてきているけれど、自分自身に置き換えて考えてみたときに、また見える視界が変わった感覚があった。自分自身のアントレプレナーシップを育むことも意識しながら研究をしていきたい。また、creativity創造性、critical thinking批判的思考は1人でなく、色んな人たちと一緒に学ぶことで多くを学び得ることがわかった。いつもと違う筋肉を使う、そんな授業だった。
初日に、グループ課題のサイエンスマガジンを作るメンバーが決まりました。アントレプレナーシップ教育に関して、調べたいテーマを決めて研究して、必ず学問的根拠(論文などからの資料を基に)のあるマガジンをつくります。そのグループメンバーに対して、自分がどんなことで貢献できる、どんな強みを持っている人なのかをピッチしました。
下の写真は「雪!」。そう、実はこのピッチ、足元は雪なんです。本物の。
先生たちが、ポーラーベアピッチというオウルで3月に行われるアントレプレナーによるビジネスピッチコンテストをマネしてクラス内でピッチを提案したのです…。
足が冷え冷えで、短い時間でまとめて話す、ピッチの難しさを体感しました…。
本来は肩まで氷水に入って行うポーラーベアピッチ、本当にすごいな…。
Polar bear pitching https://polarbearpitching.com/
日本からも勝ち抜いた選手が毎年やってきています。2020年はコロナの影響でオンラインでの実施になりましたが…。
MEGA-TRENDSというカード。
中身は色んな現在世界で起こっている課題が書いてあります。プライバシーの問題とか、AIの登場とか。気軽にディスカッションにももちろん使えるし、色んな使い方が出来そうでした。
2020年1月にオープンしたばかりのBUSINESS ASEMA。ASEMAはstationなのでビジネスの集まる場所という感じでしょうか。オウル市が運営しています。
カフェスペースはもちろん、おしゃれな会議スペースがいくつもあったり、Me & My Cityという小中学生の職業体験場所として知られるYrityskylä ウリトゥスキュラ(https://yrityskyla.fi/en/) も入っています。
BUSINESS ASEMA https://oulu.com/fi/businessasema/
ちょうどこの授業期間中に、若い起業家 (https://nuoriyrittajyys.fi/)といって中高生で選択授業でビジネスの授業をとっている子たちによる会社が集まるイベントがありました。Valkeaというショッピングセンターの1階フロアで自分の会社をピッチしていました。
これはオウルエリアのコンテストで、選ばれた会社はヘルシンキの全国大会に出場することが出来るというもの。
いくつものブースで中高生と話しましたが、「自分に出来ること」「好きなこと」をベースに起業しているのが面白かったです。
↓OSAO(職業高校)のTシャツをきた撮影チームもいました!こうして実践をしながら学んでいるのかな、ジャーナリズム。いいですね。
今回紹介した授業は、英語で行われたアントレプレナーシップの授業。主な受講ターゲットはLET生でした。テクノロジー寄りの教育を学んでいる大学院生たちです。
それでは、将来教員になる人たち対象に行われているアントレプレナーシップ教育の授業はどんな中身なのだろうか?フィンランド語での実施のため、講義をしている教授にお話を聞いてみたいと思います。お楽しみに!
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