【日&フィン比較】学習指導要領とナショナルコアカリキュラムから見えること

今週のお題は、学習指導要領とナショナルコアカリキュラム。

本題に入る前に…私たちは夫婦で、気になったことを調べ考えながら、対話しています。読んでくださる方にも、共に考える、学び合うきっかけになればいいなーと思っています。まだまだ勉強中です、これが「正しい」と鵜呑みにするのではなく、一面として、読んでいただけると嬉しいです。


日本の学習指導要領と、フィンランドのナショナルコアカリキュラムを比較してみて…現段階で、私たちが読み比べて受けた”印象”をお伝えします。


ナショナルコアカリキュラム(プレスクール+小中学校):2017年度施行
新学習指導要領:小学校2020年度施行、中学校2021年度施行、高等学校2022年度施行

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【教育の目的】

日本:社会を豊かにする(ために個人の力を伸ばす)
フィンランド:個人を豊かにする


【課題のとらえ方】

日本:PISAなどの指標でランキング低いところ、諸外国と比べて追い付いていないとされる部分

フィンランド:???調査中


【目的と手段の整合性】

日本:低い
※「学びに向かう力・人間性等の涵養、思考力・判断力・表現力等の育成、知識・技能の習得のために、教科・科目等の新設や目標・内容の見直しをする。」と表現されている。
見直し内容を見ると、PISAなど課題感が高いものと思われるものへの打ち手である。


フィンランド:高い


【施策の発想、アプローチ】

日本:量をプラスして対応する
※小学校は改訂により140h時数増える。中学校はそのまま。

フィンランド:取捨選択をする(集中&選択) 
※背景には授業時数を増やすと教員への給与支払いが増える。予算がないので増やせない、との判断。2020年1月からの英語教育で予算を増やしたと報道あり。時数増やしたのか、調査中。


【目的達成に向けた進め方】

日本:手段(学習指導要領解説や教科書)が明確

フィンランド:手段は自治体や学校、教員に委任


【役割の線引き(国、自治体、学校、家庭)】

日本:曖昧
フィンランド:明確


【先生の立ち位置(児童・生徒に対する)】

日本:指導
フィンランド:サポート


【学校と保護者の関係性】

日本:学校は、保護者に協力をいただきたい、というお願いする姿勢 

※政府インターネットテレビ 2020年度、子供の学びが進化!! よくわかる“新学習指導要領” https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg18688.html
にもその姿勢が出てくる。

フィンランド:学校と保護者は一緒に子どもを育てる、という姿勢

※近年では公立小学校へ入学前に、保護者が家庭の教育方針を書いて提出する仕組みがある。

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ちなみに、小中学校のナショナルコアカリキュラムは全科目合わせて1冊、498ページ。
日本は、小学校、中学校、それぞれ各科目ごとに学習指導要領解説があります。


例えば国語について。
フィンランドはナショナルコアカリキュラムの中に、小学校1-2年生の国語で23ページ、3-6年生で41ページ。合計64ページ。
日本の小学校の国語学習指導要領解説を見ると168ページ+付録10つ。

国で決まっている量がどれくらい違うかは明確です!


年々変化していくので、引き続き今後もチェックしていきます。いまいち、ナショナルコアカリキュラムの置き場所がしっくりこなくて、ソファにおいてみた写真。



参考)

資料4 新学習指導要領について - 文部科学省https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/044/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2018/07/09/1405957_003.pdf

平成29・30年改訂 学習指導要領、解説等

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1384661.htm

生きる力

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/

平成29・30年改訂学習指導要領のくわしい内容

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1383986.htm

新学習指導要領 リーフレットhttps://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/02/14/1413516_001_1.pdf

National core curriculum for Basic education 2014
National core curriculum for Pre-primary education 2014(Published 2016.5)

フィンランドの新教育カリキュラム「FNBE」からわかる、子ども中心の教育【フィンランド教育はなぜ子どもを幸せにするのか】

https://valed.press/_ct/17260461

たなか家 教育研究所 in Finland

フィンランドの大学院で教育を学ぶ妻と、情報配信・ツアー企画などをする夫のふたりで手掛ける教育研究所。様々な形で現地情報を交えての交流・調査など行います。

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