「自分の興味がわからない」が起きる理由


(自分の備忘録的に、考えていることを言葉にしてみました)


日本でキャリアカウンセラーとして学生と対峙しています。そこで学生からよく耳にするのが、「自分が何に興味があるのかわからない」というコメント。ちなみに自分の興味を把握するために大事なことは、日頃から何かに興味関心を持つこと。そして、その興味関心の対象に何度も触れること。これによって、自分の中で興味関心として認識が高まっていくととらえています。


という前提で考えてみると、以下のような疑問が頭に浮かびます。

日頃から何かに興味関心を持つことが少ないのか?

興味関心の対象に触れる回数が少ないのか?


この点について、自分の興味があることが比較的明確なフィンランドを考察していると、少し面白い気づきがありました。以下、上記の疑問についてフィンランドと対比させながら感じたことをまとめます(自身の備忘録的に!)。


〇日頃から何かに興味を持つことが少ないのか?

結論から言うと、日本のほうが何かに興味を持つ回数は多いように感じます。理由は、情報が多いから。テレビ、ラジオ、広告経由の情報。個人的な経験から行くと、日本にいると、求める求めない関係なく、情報がどんどん入ってきます。そして、勝手に興味のスイッチがビンビン押されます。一方、フィンランドはあまり広告がありません。また、テレビをつける文化も(日本に比較して)あまりない。なので、ネットで意識的に情報を取りにいかない限り、無意識に入ってくる情報はあまり入ってきません。興味のスイッチが入る機会は、日本に比較して圧倒的に少ないです。

一方で、興味のスイッチが入る機会が少ないフィンランドだからこそ、その一つ一つの興味を記憶しやすいという側面はあります(日本の場合は、次から次へと興味のスイッチを押されるので、興味を抱いたことをすぐ忘れる。関心が移る)。捉え方によっては、興味を認識する(はっきりと記憶する)回数は、フィンランドの方が多いとも言えます。


〇興味関心の対象に触れる回数が少ないのか?

ここには、大きな違いがあるように感じています。例えば、キャンプに興味を持ったとします。この場合、僕だったら、(キャンプをする前に)何が必要だか調べる→どこでできるのか調べる→機材をそろえる→キャンプする。というような順番で考え行動します(そして往々にして調べているうちに、キャンプ前に頓挫する・・・。苦笑)。一方、フィンランドの友人は、とりあえずテントを借りる→庭でキャンプする→(面白かったら)機材をそろえる。という順番で行動しています。これを見るとわかるのですが、まずは調べる僕に対して、とりあえずやる知人。この違いは、対象に触れる回数?確率?を大きく分けます。


〇考えることに意識を割きすぎているのが、「興味がわからない」の原因

こう比較してみると、日本にいると興味関心を抱く回数こそ多いのですが、その興味関心を深めていく(確信に変えていく)プロセスが圧倒的に不足しているように感じます。その原因は僕らの思考パターン。とりあえずやるフィンランドに対して、とりあえず調べる(考える)こと集中してしまう僕ら。興味の対象に触れるまでの道のりを無意識のうちに長くしてしまうようです。そして長すぎて途中で頓挫。ぜひ、ここは意識的に変えていきたいと思いました。


〇とりあえずやるを習慣化させるコツ

とはいえ、「やってみる」ことを意識したとしても、なかなか踏み出すのは難しいと思います。そこで、意識したいのが僕が手掛けているデンマークのキャリアデザインワークで取り入れている「今できる方法で考えること」。今できる方法にフォーカスすることで、様々なアイデアが生まれます。例えば、帰り道に友人が持っているテントを借りて、庭でテントを張る。庭が狭ければ、隣の家の人のスペースを借りて張るetc.

フィンランド人もここまで明確に意識して行動しているかは、わかりませんが明らかに日本人よりも、今できる方法でやってみることは意識しているように感じます。

ぜひ、参考になれば嬉しいです!

最後に、アパートの庭にテントを設営する知人宅の画像


たなか家 教育研究所 in Finland

フィンランドの大学院で教育を学ぶ妻と、情報配信・ツアー企画などをする夫のふたりで手掛ける教育研究所。様々な形で現地情報を交えての交流・調査など行います。

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